気象データでPoint of Interestを掴め
先月、ニューヨークでAdvertising Weekというイベントが開催されました。メタバースやリテールメディアといったテーマと並び、気象データをマーケティングに活用することの意味や効果についても、様々なディスカッションが行われていました。
これらのセッションを聴いていて、共通するメッセージは、
気象データを活用する最大のメリットは、属性情報や行動履歴データ・コンバージョンなどが把握・測定できないブランディング広告や屋外広告などにおいても、Point of Interestにもとづき、人々の状況やニーズに寄り添ったコミュニケーションが可能になること
であるように感じました。
Point of Interest(POI)は、エリアマーケティングにおいて良く使われる言葉ですが、AdvertisingWeekのセッションでは「多くの人々が共通する興味・関心を持って集まっている場所」といった意味合いで使われていました。
例えば、東京ドーム。プロ野球の試合が行われている日であれば、そこは「野球好きが多く集まっている場所と」になりますし、アイドルグループのコンサートが行われる日には、「アイドルのファンが集まる場所」になります。この時、東京ドームに集まっている人の属性や過去の行動履歴はほとんど分からなくても、そこにいる人たちの多くは「野球好き」「アイドルのファン」であることが分かる訳です。
では、なぜ天気でPOIが分かるのか?それは、
天気は人々の気持ちや行動に大きな影響を与える
天気はエリアによって、また日・時間によっても変わる
ことが影響しています。
例えば、東京で冷え込みが強まると、東京では「そろそろ暖房器具を買おうか」と考える人が増えますが、同じ日、大阪は季節外れの暖かい日だったりすると、「まだ暖房は早いかな」と思う人が多くなるでしょう。なので、たとえば「今週末は東京で冷え込みが強まる」という予報が出たら、暖房器具を販売するメーカーや家電量販店では、東京を重要なPOIと捉えて、広告や販促活動を行うことができます。
と2-3ヶ月すると、花粉の季節が到来しますが、「明日の神戸は花粉の飛散量が多い」という予報があれば、花粉症対策製品を販売する医薬品メーカーやドラッグストアは、神戸を花粉症対策製品に対する関心やニーズが高まるPOIと捉えることが可能になる、といった具合です。
実際、家具・インテリアの量販店さんが実施している冬物寝具をテーマにした来店誘導キャンペーンでは、気温の低下により、冬物寝具に対する興味・関心が高まるエリア(POI)に対して、弊社ツールを使いGoogle Display Network(GDN)に広告を配信することで、広告のクリック率を引き上げる一方、クリック単価を抑制し、来店誘導効果も高めることができています。
Advertising Weekでも、エビアンが気象データを活用し、「水を飲みたくなる人が多くいるエリア」というPOIに対して、人々の気持ちや行動の変化に合わせたメッセージを配信することで、ブランドのストーリーテリングに活用したという事例が紹介されていました。この施策により、米国でのブランド認知は10%、購入意向は7%の改善がみられたそうです。
また、気象データによるPOIの把握は、属性情報や行動履歴がわからない屋外広告(DOOH)においても、人々の興味・関心に寄り添ったメッセージを配信する重要な手がかりとなります。
ルグランでは、11/16(水)に3回目となる『weathermarketingセミナー』を開催します。
今回は、Advertising Weekで紹介されていた海外での最新事例や、弊社ツールを使った国内での事例なども交えながら、気象データを活用した消費者ファーストの広告やブランディングの手法についてお話をしたいと思います。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
開催日時:11月16日(水)14〜15時 視聴方法:Zoom ウェビナー 詳細・お申し込みはこちら→
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