【データ】雨の日に客足が減る街、減らない街〜人流 x気象データで読み解く天気と客足の関係
「雨の日は客足が落ちる」
よく言われることではありますが、実際にどの程度、どの場所で、どんな条件のときに客足に変化が起きているのかを、感覚ではなく数字で検証した例は意外と少ないように思います。そこで、今回、実際の人流データと気象データを地点・日付単位で突き合わせ、全国5つの人気エリアを対象に「雨が客足に与える影響」を定量化してみました。結果は、想像以上に地点ごとのばらつきが大きいものでした。

結論:雨の日に浅草や渋谷を訪れる人は減る
結果は次の通りでした。
浅草寺(浅草)-13.0%
渋谷スクランブル交差点-5.9%
原宿竹下通り-2.4%
なんば戎橋-1.1%
さっぽろテレビ塔周辺+0.8%
雨天日に客足が最も大きく落ち込んだのは浅草寺で、逆にさっぽろテレビ塔周辺はわずかに増加しています。地点によって天候への反応は大きく異なっていますが、これはどういう理由によるものなのでしょうか?
考察:なぜ浅草寺や渋谷は落ち込み、さっぽろ・なんばは変わらないのか
雨の日が客足に与える影響について、なぜこれほど地点による差が生まれるのでしょうか。
鍵は「雨をどこで受け止めるか」という立地の構造にあります。
浅草寺は参拝や散策そのものが目的の屋外完結型の観光地で、雨を避けて別の行動に切り替える余地が乏しく、また、渋谷のスクランブル交差点やセンター街なども屋外を歩く必要があるため、雨が降るとダイレクトに客足に影響すると考えられます。
対照的に、さっぽろテレビ塔周辺は地下街・地下鉄に直結し、なんば戎橋はアーケード街の中にあるため、来訪者は屋根の下を移動しながら目的を果たせてしまいます。つまり雨による客足への影響を決めるのは「行動が屋外で完結できるか、屋内に逃げ込めるか」という立地の構造であると言えそうです。
ちなみに、実際、最高気温と来訪者数の相関係数も調べてみたところ、どの地点も±0.17以内と相関度は低く、「気温」よりも「降水の有無」と「立地の屋内外比率」の方が客足を左右することが分かりました。
天気は消費者行動を変える〜天気連動型広告のススメ
今回の分析が示すのは、天気が消費者の行動を確実に、しかも地点ごとに異なる形で変えているという事実です。天気予報をトリガーにした広告配信を行うことで、天気や気温に応じて配信先エリアや広告のオン・オフ、配信するメッセージなどを自動的に調整することができますので、時間やエリアによって刻々と変わる天気と人々の行動の変化にあわせた広告配信が可能となります。
例えば、浅草寺のような屋外完結型の観光地では雨の予報時には配信を控え、代わりに晴天時の来訪を狙った施策に予算を投下することで広告の無駄打ちを回避することができます。反対に、屋内の施設やEC・宅配サービスなどは雨の日こそ需要が伸びやすく、配信を強化することでより多くの集客や売上を獲得できる可能性が広がります。立地やサービスごとの天気感応度をあらかじめ押さえた上で、それにあわせた配信設計を行うことが、これからの広告運用の精度とROIを分けるカギの一つになるでしょう。
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