【事例紹介】スポーツ用店、天候連動型広告でCTR・CVR・コンバージョンを大幅向上
- weathermarketing
- Aug 8
- 3 min read
Updated: Sep 25
はじめに
IPG Mediabrands傘下のアドテック部門 Cadreon(現 Matterkind)は、世界最大級のスポーツ用品小売チェーン Decathlon のため、気象シグナルを活用したプログラマティック広告キャンペーンをDisplay & Video 360(DV360)に展開。CTR(クリック率)向上やCVR(コンバージョン率)の改善、離脱率の低減に成功し、試験運用後に年間通年施策として規模を拡大しました。

背景と課題設定
Decathlonはスキーウェアや登山・キャンプ用品、レインコートなど、多くの売れ筋商品が気象条件に深く依存するラインナップです。キャンペーン担当者は、天候の変化に合わせてリアルタイムかつ文脈に合った広告を配信することで、「その瞬間の需要」に応える施策を試す必要がありました。
戦略と実装
DV360による高度連携
DV360にプラグ&プレイで統合され、広告配信気象条件設定が簡単に可能に。Cadreonのチームがフィールドごとに地域天候ルールを設定しました。
クリエイティブ切り替え設計
雨天:レインコートなどの防水アパレルを訴求
雪天:スキー・スノボ用品にフォーカス
気温低下:保温系アパレルなど
気温上昇:ハイキング・キャンプ用ウェアを提案
自動ルールにより、該当天候時に該当クリエイティブが自動配信されるよう設計しました。
試験→通年展開
初期の1ヶ月トライアルで成果が確認できたため、Decathlonは大規模予算を割り振り、Always‑On型の年間運用体制へ移行しました。

成果と定量効果
CTRの向上
気象に即した広告配信により、従来比でCTRが大きく上昇。ユーザーとの文脈一致が功を奏しました。
CVR・離脱率の改善
広告からLP遷移後のCVRが上昇し、バウンス率も低下したとの報告があります。これは接触タイミングおよび広告内容のマッチ度向上によるものです。
予算効率
試験段階での成果により、投入予算が拡大され、気象連動施策が年間規模へと展開されました。
天候ターゲティング広告の主な価値
モーメント・リレーションマーケティング
本当に必要な消費瞬間に合わせて訴求することで、CTR・CVRが飛躍的に向上。
クリエイティブの適合性
天候に応じた商品ラインナップを出し分けることで、広告とユーザーのニーズを強力に接続。
プロセスの自動化
DV360との連携により、人的操作なしに広告セットのオン/オフとクリエイティブ切替が運用されており、精度と効率を両立。
スケールの実現
試験成果が明確だったために年間通年の投資に踏み切られ、POCから本格運用に無理なく移行。

今後の展望と応用展開
他気象指標の展開:湿度、風速、紫外線など、文脈を深める条件追加
マルチチャネル展開:Meta広告、YouTube等ソーシャル・動画チャネルへの展開
セグメンテーション連携:ファーストパーティデータとの統合による広告精緻化
国内展開:気候変動により地域での天候シグナルがより一層重要となる今、日本市場にも展開可能性あり
まとめ
CadreonとDecathlonによる天候連携型DV360キャンペーンは、天候というリアルな外部シグナルを広告戦略に取り込み、「その瞬間に本当に必要とされるユーザーに届ける」先進事例です。CTR・CVR・コンバージョンが改善された結果を受け、試験運用を通年展開に昇華させた点からも、その効果と効率性が評価されています。
今後も、アウトドア用品や季節商材を扱うブランドにとって、業界標準となり得る注目のアプローチといえます。
※本記事は、以下の事例を参照・要約した内容で構成されています。






